健康維持に良いとされる栄養成分を多く含んだ桑の葉茶、アンチエイジングや、糖質制限などさまざまな効果が期待されていますが、実は桑の葉には血圧の上昇を抑える効果があると言われています。
ここでは、桑の葉に含まれる成分が「高血圧にもたらす効果」や「効果的な飲むタイミング」、また「低血圧の人は桑の葉茶を飲んでも大丈夫?」などを解説していきます。
そもそも高血圧・低血圧とはどんな病気なの?
血液には酸素や、栄養素を全身に届ける役割があり、心臓がポンプのように収縮と弛緩を繰り返して、血液を体内に巡らせます。
血圧とは、心臓がポンプのように血液を送り出すときに、動脈の内側の壁にかかる圧力のことをいいます。
高血圧とは?どんな病気なの?
高血圧とは、安静時の血圧が慢性的に高い状態をいい、140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上の状態です。
高血圧はサイレント・キラー「沈黙の殺し屋」と呼ばれるほど、数値上、高血圧であっても目立った自覚症状がないため、気づかないまま進行していきます。
高血圧が続くと血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化や心臓肥大が進み、脳卒中や心筋梗塞、心不全、不整脈、動脈瘤、腎不全などの重大な病気につながる恐れがあるため、高血圧は、早期に発見して、血圧をコントロールすることが大切です。
血圧を上げるもの
塩分の摂りすぎ、ストレス、肥満、暴飲暴食、喫煙、過度なアルコール、睡眠不足、便通時のいきみ、などの生活習慣が血圧を上げてしまう原因と言われています。
血圧を上げる原因となる、塩分の摂りすぎや、肥満などは食事を気をつけることで予防ができます。
低血圧とは?どんな病気なの?
WHOでは世界共通の基準として、収縮期血圧100mmHg以下、拡張期血圧60mmHg以下を低血圧としています。
重篤な病気に繋がる恐れがある高血圧と違い、低血圧は治療の必要がないとされているようですが、さまざまな症状がみられるようです。
低血圧の人に現れる症状
立ちくらみ、めまい、朝起き不良、頭痛、疲労感、肩こり、動悸、胸部圧迫感、失神発作、などの症状があらわれ、男性よりも女性に多く、朝なかなか起き上がれないなど、朝が弱い方が多いと言われています。
桑の葉茶が高血圧にもたらす効果
桑の葉に含まれる、GABAには血圧の上昇を抑える効果があります。また、「マグネシウム」、「カリウム」、「カルシウム」も高血圧の予防に効果が期待できます。
それぞれの成分の働きを見てみましょう。
血圧の上昇を抑えるGABA
GABAはアミノ酸の一種で、高めの血圧を下げる働きがあり、興奮を抑えリラックスさせる効果や、睡眠の質を高める効果があると言われています。
GABAは血圧を下げる働きの他に、ストレスを軽減してくれる働きにより、血圧上昇につながるイライラを抑制、また睡眠不足も血圧上昇につながるため、睡眠の質を高めてくれる働きがあるGABAは高血圧の味方と言えます。
血管を強くするルチン
桑の葉に含まれるルチンはフラボノイドの一つで、毛細血管を強く丈夫にする働きがあります。活性酸素を取り除き、血流を良くするため、高血圧や動脈硬化に有効とされています。
冷えや肩こりにもよく、ビタミンCの働きを助ける働きもあるので、アンチエイジングにも良いと言われています。
マグネシウムで高血圧を抑制
ミネラル分の一つで不足がちになるマグネシウムですが、マグネシウムを十分に摂っていると高血圧の改善に効果的なことが、インディアナ大学公衆衛生学部の研究で分かりました。
さらに、このマグネシウムは体内時計を正常に整える効果もあると言われています。生活リズムを整えることは生活習慣の予防にも繋がります。
高血圧の方が、積極的に摂りたい栄養素のマグネシウムが桑の葉には、ケールの1.6倍も含まれています。
カリウムで塩分を排出
塩分のとりすぎは血圧を上昇させてしまいます。「カリウム」には、余分な塩分を尿として排出する働きがあります。
野菜や果物に多く含まれているカリウムですが、現代人は野菜や果物が不足がち。高血圧の天敵となる塩分を排出するカリウムが桑の葉には、キャベツの12倍、2,400mgも含んでいます。
カルシウム不足は高血圧の原因に
カルシウムと言えば、「骨」に必要な栄養素ですが、実はカルシウムは脳や筋肉の働きにも必要な栄養素になります。
カルシウムが不足すると、骨からカルシウムを取り出します。取り出されたカルシウムは血管内に入り込み、血中のカルシウム濃度が高くなっていきます。そうなると、カルシウムは血管壁に取り込まれ、壁を収縮。結果として、血流が悪くなり、心臓はより強い力で血液を送り出そうとするため、高血圧の原因につながてしまいます。
高血圧改善効果があるマグネシウム、塩分を排出してくれるカリウムの他に、牛乳の20倍以上のカルシウムを含む桑の葉は、高血圧の予防、改善におすすめの飲み物になります。
桑の葉茶は低血圧の人が飲んでも大丈夫?
血圧を下げる働きがあるGABAやルチン成分が入っている桑の葉茶ですが、低血圧の人が飲んでも大丈夫?と心配になる方もいるのではないでしょうか?
結論:桑の葉茶は血圧が低い人が飲んでも大丈夫
GABAやルチンなどの栄養素は、血圧が正常な人や、低血圧の人が摂取しても、血圧を必要以上に下げ、低血圧になるといった作用はないと言われています。
むしろ、食欲不振などから、栄養バランスが偏りがちな低血圧な方に、ビタミン類以外にも、鉄分、亜鉛、カルシウムなどのミネラル分が含まれ、ケールや青汁よりも栄養価が高い桑の葉茶は、おすすめです。
また、血圧を直接上昇させる効果はありませんが、桑の葉に含まれる栄養成分が血行を良くすることで低血圧の不快な症状を改善することが期待できます。
冷え改善にビタミンE
低血圧の方は血流が悪く、冷え性の方が多いと言われています。
桑の葉に含まれるビタミンEの働きにより血流が良くなり、冷えを改善する効果が期待できます。
また、鉄分の吸収を助け、毛細血管の働きを維持するビタミンCも含まれているため貧血予防にも効果が期待できます。
代謝を助けるビタミンB群
代謝ビタミンとも言われるビタミンBは、栄養素からエネルギーを作るために必要な栄養素。代謝が高まることで、血流がよくなります。
ビタミンBが不足すると疲れが生じやすく、食欲不振などの症状があらわれるため、低血圧や食欲不振の方は積極的に摂りたい栄養素の一つになります。
腸内環境を整える食物繊維
体が冷えると腸の血流も悪くなり、消化、吸収、排泄がうまく行われなくなります。腸内環境を整えることで、新陳代謝が活発になり血流が良くなると言われています。
また、食物繊維には血中コレステロールの上昇を抑制する効果があるため、生活習慣病の予防に効果が期待できます。
高血圧の方だけではなく、低血圧でお悩みの方にも桑の葉の栄養成分は効果的に働くと言えます。
血圧が気になる人の効果的なタイミング
血圧が気になる人は桑の葉茶をいつ飲むのが効果的でしょうか?
高血圧の方が桑の葉茶を飲む効果的なタイミング
食前、または食中の毎食時に飲むことをおすすめします。食前、または食事と一緒に摂ることで、塩分の排出を促す効果が期待できるため、血圧抑制効果が期待できます。
低血圧の方が桑の葉茶を飲む効果的なタイミング
低血圧でお悩みの方は朝の1杯がおすすめ。
低血圧の方は、朝起きられない、胃もたれなどの原因から、食欲がない方が多いのではないでしょうか?
朝の1杯で簡単にビタミン、ミネラルの栄養補給ができ、また胃腸を活発にすることで、血行促進効果が期待できるため、低血圧の方には朝がおすすめです。
まとめ
高血圧改善も低血圧改善も3食バランスのよい食事と、運動が効果的だと言われています。その他にも十分な睡眠、腸内環境を整え、リラックスした排便をすることも高血圧、低血圧ともに意識したいポイントになります。
とくに、生活習慣病の1つである高血圧が続くと、重大な病気につながる可能性があるため、不足がちになる栄養素が摂れる桑の葉茶を取り入れ、食生活、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?