高幡不動尊は関東三大不動の一つといわれ、初詣から始まり毎月28日のご縁日をはじめ、節分会、新選組まつりなどの年中行事が様々あります。
境内は4000坪以上と接続する山林を合わせて30000坪からなる敷地に織り成される四季を彩る自然と景観風情の中で、あじさい祭り、紅葉祭りなどの催しも行われています。
ここでは、高幡不動尊のご縁日についてと参拝方法を詳しく説明します。
高幡不動尊のご縁日(ごえんにち)とは
高幡不動尊のご縁日(ごえんにち)とは、不動明王とのご縁のある日に参拝することで、多くのご利益が得れるという日のことです。
ご縁日は毎月28日で、高幡不動の参道通りを10時~17時まで歩行者天国にして行われております。
山門を潜り境内に入ると手水舎(ちょうずや)があり香炉(こうろ)があります。
お賽銭箱(おさいせんばこ)に向かって、合掌をしてから一礼、お賽銭を入れて願い事を心の中で唱えると、願い事が叶うと言われています。
また境内にはいろいろな屋台が並び、参拝者のもてなしをしおります。
不動明王(ふどうみょうおう)とは
不動明王とは、三大神の1人であるシヴァ神の別名とされ、その梵名はアチャラナータと言い、動かない(不動)守護神です。
不動明王は空海によって日本へ持ち込まれ、密教の最高位である大日如来(だいにちにょらい)の化身とも言われています。
大日如来は普段柔和なが人々を救済するために、あえて怒りの形相をして、邪悪な者には厳しく、人が間違った道へ進もうとした時には、正しい道へと戻れるように諭してくれる存在であり、「お不動さん」または「不動尊」と呼ばれ現在も親しまれています。
ご縁日に参拝すると【どんなご利益(縁)がある】
不動明王は「現世利益」(げんせりえき)が得られる仏と言われています。
「現世利益」と言うのは、生きている間に得られる利益のことです。
主にこんなご利益があると言われています。
厄除け(やくよけ)
健康祈願・身体安全
不動明王は、健康または病気治癒に効果があるとされています。
自身の身の安全を祈願することで、ご利益を得ることができます。
新生児祈願
高幡不動尊の新生児祈願は、赤ちゃんが無事に産まれたことを感謝し、健やかな成長を祈る行事として行われています。
赤ちゃんが産まれてから、男の子は生後31日目、女の子は生後33日目に行うとされています。
しかし最近では赤ちゃんと母親の体調、家族の都合などに合わせて、100日目に「お食い初め」も兼ねて新生児祈願を行う方が増えています。
七五三祈願
11月15日は七五三の日とされ、子供の健康と成長を願う伝統的な行事のひとつです。
高幡不動尊では毎年10月~11月末まで、お子さんの健康と成長を祈り、七五三祈願が行われています。
煩悩退散(ぼんのうたいさん)
煩悩は、人の心を邪悪の道へと誘い込みます。
煩悩は108あるとされ不動明王に祈願することで煩悩を打ち払い、邪悪な部分を燃やし尽くしてくれます。
商売繁盛(しょうばいはんじょう)
不動明王は商売に対してもご利益が有るとされています。
学業成就(がくぎょうじょうじゅ)
不動明王の明という文字はサンスクリット語で知識や学問を意味します。
学業や仕事に対するスキルを高めたいと願う時に祈願すると、ご利益を得ることができます。
戦勝祈願
戦国時代より不動明王に必勝祈願をした所、勝利をおさめたという者がいたことから、戦勝のご利益があるとされています。
近年では、なでしこジャパン澤穂希さんやオリンピック選手など多くのアスリートの方も来られています。
高幡不動尊の参拝作法
ここでは一般的な参拝方法をご紹介しますが、決して難しいものではありませんので知っておくと役に立つと思います。
- お寺に入る前には、まず身だしなみを整えます
- 仁王門(山門)の前で一礼、合掌してから境内に入りましょう
- 境内に入ったら手水舎(ちょうずや)に向かい、手と口を清めます
- 香炉(こうろ)の煙で体を清めます
- お賽銭箱(おさいせんばこ)に向かって合掌をしてから一礼、お賽銭を入れ、合掌しながら心の中で願い事を唱えます
自分で手水の清め方は
- まず右手で柄杓(ひしゃく)を持って水を汲み、左手にかけて左手を清めます(柄杓の2割程度、水を使う)
- 柄杓を左手に持ち換えて右手を清める
- 右手で柄杓を持って左の手のひらに水を受け、その水を口に含んで清めます(柄杓に少しだけ水を残しておく)この時、柄杓に直接口を付けてはいけません。口をすすぎ終えたら、もう一度水を左手にかけます
- 最後に水を入れた柄杓を立て、柄に水を流してから元の位置に伏せて置きます
手水奉仕(誰かに)を受ける時は
手水奉仕を受ける時は、まず両手で水を受けて、両手を清めます。次にもう一度両手に水を受けて、その水で口をすすぎます。さらに両手で水を受けて、再び両手を清めます。最後に拭紙で口を拭ってから手を拭います
手水舎(ちょうずや)は、日本の神社や寺院に設けられている、参拝者が手や口を清めるための設備です。手水舎は、参拝する前に体を清めるための重要な場所で、神聖な場所に入るための儀式的な行為として位置づけられています。
手水舎の構造
手水舎は通常、以下の要素で構成されています:
- 水盤(または手水鉢):手水舎の中心には、大きな水盤や手水鉢があり、ここに水がたまっています。参拝者はこの水を使って手や口を清めます。
- 柄杓(ひしゃく):水盤には柄杓が置かれており、参拝者はこれを使って水を汲み取ります。柄杓は通常、木や金属でできており、柄の部分が長く、先端が平らになっています。
- 洗い場:水盤の周りには、参拝者が立って水を使うための場所が整備されています。
手水舎の使い方
- 柄杓を取り、水を汲む:柄杓を使って水を汲み取ります。手を清めるためには、柄杓の先を使って、手を水で洗います。
- 右手を洗う:柄杓で水を取り、まず右手を清めます。
- 左手を洗う:次に、柄杓の水を使って左手を清めます。
- 口をすすぐ:左手に水を受け、口をすすぎます。ただし、口を直接水盤に近づけることは避け、柄杓を使って水を口に含みます。
- 柄杓を清める:最後に、柄杓の先を水で洗い、元の位置に戻します。
手水舎の意味
手水舎は、参拝者が神聖な場所に入る前に心身を清めるためのもので、古代からの伝統的な習慣に基づいています。体を清めることで、心も清らかにし、神聖な儀式や祈りに臨む準備を整えるとされています。
香炉(こうろ)
手水舎(ちょうずや)で手と口を清め終えたら、香炉に献灯や献香をして煙で体を更に清めます
香炉(こうろ)は、香を焚くための器具で、主に仏教寺院や神社、または家庭での宗教的な儀式や日常的な香りを楽しむために使用されます。香炉は、香を焚くための受け皿や容器であり、香りを立てるために用います。
香炉の構造
香炉は以下のような構造を持っています:
- 本体:香炉の主要部分で、香を焚くための容器です。一般的には、耐熱性のある材質(銅、陶器、青銅など)で作られています。
- 蓋(または網):香炉の上部には蓋や網がついていることが多く、香を焚く際に香りが外に広がらないようにしたり、炭や香の粉を保持する役割を果たします。
- 香台(または受け皿):香を直接置いたり、炭を置いたりするための部分で、香炉の内側に備え付けられていることが多いです。
- 通気孔:香の煙を外に逃がすための通気孔が設けられていることもあります。これにより、香りが広がりやすくなります。
香炉の使い方
香炉の使用方法は以下の通りです:
- 炭を準備する:香を焚くために炭を火で炙り、十分に熱くします。炭の上に香を置くことで、香の成分が蒸発し、香りが立ちます。
- 香を置く:炭が熱くなったら、その上に香を置きます。香は粉末状や細長い棒状のものが一般的です。
- 香炉を使用する:香の煙が立ち上ると、香炉から良い香りが広がります。香りを楽しんだり、祈りや瞑想の際に使用します。
香炉の意味と目的
香炉は、主に次のような目的で使用されます:
- 宗教的儀式:仏教や神道の儀式では、香を焚くことで神聖な空間を作り、祈りや供養を行います。
- 瞑想とリラクゼーション:香の香りにはリラックス効果があり、瞑想やリラクゼーションのために使用されることがあります。
- 日常の香り:家庭での香りを楽しむために、香炉を用いて心地よい香りを立てることがあります。